バークリー音楽院留学時代に出会ったもの凄いギタリスト!!

こんにちわ。
今日は僕がアメリカに音楽留学していた時に出会ったものすごいギタリストのお話を。
僕は2004年から2007年まで3年半アメリカのボストンにあるバークリー音楽院に
留学をしていました。

様々な学科や授業、ギターラボ(ギターの授業)、アンサンブルクラスなどがあり、
日本の大学のように各生徒が自分で選択できます。
今はまた違いますが、当時のバークリーの入学できるラインが今のように試験が必須だったわけではないので、実際入学したところ様々なレベルの生徒がいました。
(現在は、入学するのも以前より難しいと伺いました)
入学してからはPlacement Auditionといういわゆるレベル分けのためのオーディションがあるので、アンサンブルクラスや専攻する楽器の最初のクラスではレベルはある程度揃っているのでそこは問題なかったです。

バークリーって入学する前の印象ってすごいアカデミックで理論にみんな精通しまくっていて楽器のスキルもすごく高くて、とにかく優秀!インテリ!!みたいなイメージを持っていました。でも、実際に入ってみるとあまりそういった印象は持たなかったです。
大学には世界中から夢と志を持った学生が集まってくるのですが、
特にアメリカ人は全体的にあまりうまくない人が多かった。
中には「高校卒業して特にやりたいことなかったから、音楽なら楽しいかなあと思って入ってみたよ」なんて人もいました。日本や海外から来る学生の多くは、その国の音楽学校やら大学を卒業してからバークリーに入学する人も多いので、当然そういう人はとても知識も実力もある方が多かったです。

対してアメリカの方は全体の90%があまりうまくなくて、
残り7%がめちゃくちゃうまい、そして残りの3%がもう信じられないくらいのうまさ。
この僕の中での3%の凄さが半端ない。
この辺りのクラスになると普通に教授より全然うまいです笑
僕がいた当時はEsperanza Spalding やJulian Lageがいました。
この2人は今や世界的に有名ですよね。
当時から2人ともやっぱりずば抜けてて、Julian Lageはバークリー入学前からゲイリーバートンのところで弾いていたので、入学する時は「あのJulian Lageが入学した!」と生徒の間で話題になったものです。
Esperanzaはあの小さい体に大きなウッドベース抱えて大きいアフロヘアにお目目がクリクリっとしててすごい可愛らしい女の子って感じでした。よく練習部屋にいたので、一流は努力を惜しまないですね。

このような今やスーパースターがいた当時のバークリーでも
とりわけ凄いと有名だったギタリストがいます。
それがBryan Baker。
当時は最先端のコンテンポラリージャスをやっていました。
始めた見て聞いた時はぶっ飛びました。
正直な感想として未だにこの衝撃を超えるギタリストに会ったことがありません。
それほどまでに脳天が揺さぶられるほどの強烈さでした。
まずやってることがほとんど理解できない笑
今何のスケールを弾いていて、インサイドなのかアウトサイドなのか
何を考えて弾いてるのかそれが95%くらいわからないんです笑
もちろんコンテンポラリージャズの名手の方ならもう少し理解はできるとは思うんですが、自分には全然わかりませんでした。
ただわからないんだけど、とにかく格好良いんです。
イメージとしては絵画で言うところのピカソみたいな。
それを当時、若干20歳くらいの人がやってのけるんだから信じられなかったです。
Bryan Bakerからレッスンを受けていた人の話を聞くと、ビバップとか弾かせてもめちゃくちゃうまいらしいので、それこそピカソが実は写実的に書くのもものすごくうまかったけれど、それに飽きてあのような画風になった。というのに近いのかなと思います。
(ちなみにブルージーなアプローチもめちゃくちゃうまい)
僕が卒業する頃にはBryanはSteps Aheadにも加入するのですが、そこでの演奏も本当にすごかったです。
当時、あのパットメセニーが「俺はあいつは好きじゃない」と言ったという話を聞いたことがあります。まあ、確かにメロディアスな演奏はしないのでわかりますが笑
あと、Bryanは弾く時に実際声を出しながら弾くんですが、その声がめちゃくちゃ大きくて、David Fiuczynskiに怒られたという逸話も残っています笑
天才すぎる所以か、当時はコンテンポラリージャズをやっていた彼ですが、
近年はロックバンドを組んで歌も歌ったり、多弦ギターでヘヴィなものをやっていたり
いろいろなものをやっています。
すぐ別のジャンルに手を出しちゃうのも、エスペランザやジュリアンみたいに知名度が上がらない要因の1つでしょうか。
あとはあまり万人ウケする音楽じゃないのが一番だと思いますが。

クラシックギターもうまくとても素敵な動画があるので、それも貼っておきます。

世界の広さを感じたアメリカ時代の1つのお話でした。

Kentaro Kaneko
www.kentarokaneko.com
Youtube: アカウント名 Kentyguitar
https://www.youtube.com/channel/UCVq2s-6ellIt8XCkuwaHPAA 
Twitter: @kenty_335
Instagram: kenty_335

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